保育士不足の記事を読んで、思ったこと。

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正直に言う。
この記事を読んで、モヤっとした。

保育士不足。

ICT化で現場が変わってきている。
やりがいがある仕事。

書いてあることは、全部「事実」なんだと思う。
現場で工夫している人たちがいるのも、本当だろう。

でも、どうしても引っかかる。

「変わってきている」
「改善されつつある」
この言葉、もう何年聞いているだろう。

ICT化が進んだ。
書類仕事が減った。
安全管理が楽になった。

それでも、人は足りていない。
それでも、有効求人倍率は異常な数字のまま。

結局、
「大変だけど、やりがいはあるよ」
という話に、また着地している。

やりがい。
成長を見守れる喜び。
人の命を預かる尊い仕事。

それは否定しない。
むしろ、尊敬している。

でも、それを前提にしすぎじゃないか。

やりがいがあるから低賃金でも仕方ない。
使命感がある仕事だから無理がきく。
好きでやっているなら我慢できるはず。

無意識に、
そんな空気を社会全体が作っていないか。

ICTで効率化されても、
責任の重さは変わらない。
命を預かるプレッシャーも消えない。

なのに、
「少し楽になったからいいでしょ」
で済ませているようにも見える。

そもそも、
人が足りない業界って、だいたい同じ構造だ。

・責任が重い
・社会的に必要
・でも給料は安い
・精神論で支えられている

これ、保育だけじゃない。
介護も、医療も、教育も。

どれも
「なくなったら困る仕事」
なのに、扱いは軽い。

だから人が来ない。
来ても辞める。
そしてまた「人材不足」と言う。

記事の最後に出てくる
「さらなる施策が求められている」
という一文。

正直、それも聞き飽きた。

施策が必要なのは、
もう何年も前から分かっている。

足りないのは、
技術じゃなく政策じゃないか。

本気で守る気があるのか。
本気で支える気があるのか。

やりがいを語る前に、
生活が成り立つかどうかを語るべきだ。

夢や使命感に頼らないと回らない仕組みは、
もう限界に来ている。

ICTで現場は変わっている。
それは確かだ。

でも、
「人の扱い方」は、
本当に変わっているだろうか。

この記事を読みながら、
そんなことを考えていた。

たぶん、
この違和感を感じているのは、
僕だけじゃないはずだ。

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